2018/05/01 16:02
正午過ぎ。大鍋いっぱいに水を張り、大げさな量の塩を入れ、湯を沸かし始める。卵とソーセージ、溶けるスライスチーズを冷蔵庫から取り出す。冷ややかな卵の殻をひと撫でしてから、テーブルの角に適度な力加減で...
2018/01/04 00:48
年の瀬に蝦夷鹿のローストを食べる機会があった。サーブされた鹿肉を眺める。塩と幾許かの香辛料が塗布された骨付の肉切れ。その表面は適度に焼かれ、口の中の唾液を誘発する蠱惑的な脂身の色、中心部位はまだ命...
2017/04/18 14:31
先日のことである。ワイフと2人でスーパーマーケットに食料を買いに行った(驚くべきことに僕もスーパーマーケットに行くのである)。晩御飯をどうしようかと2人うろつく生鮮食品のエリア。不意に僕の目に飛び込...
2017/04/09 21:58
その昔、色は輪郭の中に住んでいました。しかし、ルネッサンスやマニエリスム、ゴシック時代を過ぎたあたりでモネという画家が登場しました。彼の画業によって色は輪郭から飛び出し、色は色として存在を認められ...
2017/03/21 10:05
医者「栄養失調ですわ。なんか滋養のあるもんでもあげてください。…はぁい、次の方?」清太「ちょっと待ってください先生、滋養のあるもんて何ですか?そんなもん、どこにあるんですか?先生!」※※※※清太「節子、...
2017/02/01 23:30
不意に思い出す女がいる。―――――――――――――ある晩、奈良で晩飯の都合をつけようと馴染みのカレー屋に足を運んだ。しかし、そのカレー屋は閉まっていた。おそらく定休日だったのだろう。仕方なくもう1軒のカレー屋に...
2017/01/02 00:52
年末、友人の米田(コメダ)とスターバックスに行った。その雑感である。待ち合わせ合流における僕の第一声「今日、自転車?」米田(コメダ)はニコリともせず「ごめん、全く聞き取れない」と言う。おそらくこの...
2016/12/29 22:08
僕はKiroroの『長い間』がわりと好きなのです。 玉城さんの芯の強いボーカルと金城さんの切なげなピアノがメロウに絡み合っている。サビの「愛してる でも まさかね そんなこと言えない」のメロディラインは...
2016/12/15 00:01
前田は花を作る時、おどるいきなりで驚かれた方もいるかもしれない。「え、あの前田がおどるの?ほんとかしら?」と。本当である。前田はおどるのだ。おどると言ってもEXILEみたいなダンスではない。おどると言っ...
2016/12/09 00:00
もう1人のマエダロフのお話昨晩更新したブログの重大な補填です。edalab.とドストエフスキー(カラオケで自意識をこじらせた男の話)追記しようと思ったら文字数を超過していたので、別の記事にしました。-------...
2016/12/07 01:41
「誓って言うが、諸君、あまりに意識しすぎるのは病気である」衝撃的なフレーズ。それがドストエフスキーの『地下室の手記』である。多分、一番笑った小説だと思う。そして、それを体現するかのように自意識をこ...
2016/11/29 05:20
先日、ワイフが言い放った一言「はなまるうどんの中サイズは2玉入ってるよ」耳を疑った。これまで何度も利用してきたはなまるうどん。僕はいつも中を頼んでいた。僕はワイフに言った「まさか。そしたら僕はいつも...
2016/11/22 23:57
僕の声のこと。―――――――――――『グラデーションボイスの詩』僕の発した口疾でくぐもる曖昧な波長溶けて流れるアイスクリームのよう言葉の輪郭は不明瞭100cm向こうの聴覚に届く頃音声から声は抜け落ちただの音「what...
2016/11/01 10:35
【モンドリアンはいつも正しい】最初期の抽象画家で、黒いフレームと空白、赤青黄の三原色を配置した絵が有名。街中でそれモンドリやん?みたいなモチーフのデザインをちらほらみかける。カンディンスキーとの比...
2016/10/12 12:43
安部公房の著作やファイトクラブに熱を上げていた20歳当時の僕。その小説の影響を受け、軽率な反資本主義みたいな気持ちを胸に宿しつつ、僕はファストフード界の権化であるハンバーガー工場でアルバイトをしてい...